本日ご紹介するのは、赤坂では珍しい家庭料理の一軒家レストラン。
円通寺坂にお住まいの韓国マダム、清和さんちの2階のウェルビン(赤坂4-12-2)です。
花咲かランチのお弁当でお馴染みですが、zoomania
お店に来るのは久しぶり。
玄関でスリッパに履き替えて2階に上がると、テーブルが3卓のリビングダイニング。 TVでは昼のワイドショーが流れていて、ゆるーい雰囲気。 友人の家でご飯をご馳走になってるような居心地良さです。
現在のランチメニューは、ブルコギ&チャプチェ¥1000、豚肉ピリカラチャプチェ¥1000、ビピンパ定食¥900の三択。 zoomaniaはブルコギ&チャプチェにしてみました。 ブルコギ(牛肉と野菜の炒め物)の下に、チャプチェ(春雨炒め)が隠れてます。
ウェルビンの料理はどれもそうですが、野菜たっぷりで家庭料理らしい優しい味付け。
食後にはフレーバーコーヒーもつきました。 ヘーゼルナッツかな?
赤坂サカスにほど近い立地ですが、客層に観光客は皆無。 常連とおぼしき近隣の勤め人で賑わってました。
清和さんはご存じではありませんが、実は彼女はzoomaniaの料理に大きな影響を与えた人です。 正確に言うと、清和さんの作るナムル。
韓国料理の本を読むと、通常ナムルは茹でた野菜をごま油と塩、そしておろしニンニクやネギのみじん切りなどの香辛料で和えて作ると書いてある。 が、ウェルビンのナムルはごま油と塩のみ。 シンプルな味付けです。
これがzoomaniaにはとても新鮮でした。 香辛料が入らないナムルは、それぞれの野菜の風味が生きてて滋味だし、万年胃炎のzoomaniaの胃にも優しい。 zoomania清和さんの作る料理のファンになりました。
で、早速zoomaniaも真似して作ってみた。 これまでは、香辛料を買いそろえたり摺り下ろしたりと、ナムルは手間のかかる料理でしたが、ウェルビン流ならとっても簡単。 ぐっと韓国料理の敷居が下がり、ナムルはzoomaniaのレパートリーに加わりました。 今、zoomaniaの弁当には、二日に一日は茹で野菜をごま油と塩で和えたナムルが入ってます。 人参とか、美味しいよ。
なるほど、料理って手間をかけるばかりが能じゃないんだね。 うんと簡単にした方が、美味しいものもある。
これを機に、zoomania「引き算の料理」に転じました。
試しに、これまで市販の出汁パック(五種類くらいの材料で出来てる)でとっていた出汁を、思い切って昆布だけにしてみました。 うん、すっきりシンプルな出汁。 キャベツの味噌汁はちょっと物足りない味になっちゃったけど、豚汁やつみれ汁みたいな具からも出汁が出る料理なら、これで十分だ。
次に、ペスト・ジェノヴェーゼの引き算に挑戦。
通常、ジェノヴェーゼは:バジル、オリーヴオイル、塩、パルメザンチーズ、ニンニク、松の実、の6つの材料で作りますが、後半3つをばっさり省略。 バジルのみじん切りにオリーヴ油と塩を混ぜただけの、ジェノヴェーゼもどきを作ってみました。
これがヒット! コクや旨みには欠けるけど、爽快なソースが出来ました。 バジル好きにはタマランです。 これもzoomaniaのレパートリー入り決定。 何より、バジルさえあればすぐに作れる手軽さが良い。
という具合に、zoomaniaの料理に新しい地平が開けました。
強いて秘訣を挙げるとですね、調味料は上質なものを使うこと。 油や塩の味がダイレクトに料理に反映されるので、お金のかけ甲斐があります。
一番の収穫は、あれもこれも省いてよし、と割り切ると、今までは面倒で作ろうとは思わなかった料理にもチャレンジする気になれること。 次は引き算パエリアに挑戦する予定です。
サンキュー、清和さん!