冬の京都旅行最終日、いよいよ
桂離宮の参観です。
桂離宮は、17世紀に作られた宮家の別荘。 真ん中の池を囲んで書院造りの母屋と茶室がいくつか建つ、日本一美しいと言われる庭園です。 zoomania3ヶ月も前に宮内庁に参観を申し込み、ずっと楽しみにしてました。
参観は庭を歩くのみ、建物の中には入れません。 宮内庁のガイドに引率されて、約1時間かけて庭を一周します。 解説付きなのは嬉しいのだが、のんびり立ち止まって写真を撮ったり、質疑応答したりする時間が無いのは残念。
計算しつくされた庭園や茶室はもちろん素晴らしい。 でもzoomaniaはそれ以上に、木と紙で出来た、雨戸もサッシも無い建物が400年前と同じ姿で維持されていることに感動しました。 茶室のふすまなど、全て作られた当時のものだそうです。 zoomaniaはてっきり、庭にはレプリカを置いて、本物はどこかに保管してるんだろうと思ってた。
桂離宮の維持・管理には、当然莫大な予算が割り当てられてるのだろうけど、これはやはり愛が無いと成し得ないことであろう、とzoomaniaは思う。
第二次世界大戦中、ヨーロッパのとある教会ではステンドグラスが空襲で破壊されないよう、ガラスを一片ずつ外して保管していた、とか、中国の内戦の際、中華民国政府は故宮博物院の膨大な宝物を、一つも壊すことなく北京から台湾まで運んだ、といったエピソードにzoomania凄く弱い。 宮内庁の中の話ってあまり外に聞こえてくることはないけど、桂離宮の維持に関わる人達も、語るべき逸話を持っているのではないかな。
また別の季節にもぜひ来てみたい! と思いました。
さて、今回の旅行記では何度も書いてることだが、京都って東京よりもずっと小さいです。
地図で見ると、桂離宮があるのは京都の南西の街はずれ、桂川の向こう側。 別荘と言うからには、東京→葉山くらいの距離かしらん、とzoomania思っていた。 きっと京都の人にとって桂川を渡るのは、東京の我々が多摩川を渡るような感覚であろう、と。
で、当日は小旅行のつもりで特急電車に乗ったら、ものの5分で桂駅に着いてしまったんである。 (ちなみに帰りはバスに乗ってみたら、桂離宮→京都駅間は20分でした) ガイドブックはきちんと読んだ方がいいですね。
予定より1時間半も前に到着してしまったけど、大丈夫。 桂離宮の前には
中村軒(京都市西京区桂浅原町61)があります。
写真には写ってないけど、すぐ左手には桂川が流れています。
中村軒のラインナップは、麦代餅に代表される庶民的な朝生菓子。 白いきんつばも美味しそう。
喫茶室もあります。 土間の緋毛氈を敷いたベンチで、囲炉裏にあたりながらお菓子を食べるもよし、奥の座敷で庭を見ながら軽食をとるもよし。 zoomaniaは座敷で参観までの1時間半を潰させてもらいました。
zoomaniaが是非食べてみたかったのがこれ、お雑煮¥787。
zoomaniaは関東生まれなので、
お雑煮といえばすまし汁に焼いた角餅、具は三つ葉にかまぼこなどがスタンダードです。 京風の白味噌雑煮を食べるのは生まれて初めて。 というより、余所の土地のお雑煮を食べること自体、初めてだ。
使用しているのは山利の白味噌だそうです。 具は丸餅が2つと、里芋に味が似てる「頭芋」です。 たっぷりの削り節を食べる直前に入れる。
甘〜い味噌汁を想像してたのだが、そうでもないです。 上質なポタージュみたいに滑らかでコクがあって、実に美味い。 zoomaniaこれなら毎日でも食べたいかも。 このお味噌は、東京でも手に入るのかしらん?
お店のホームページを見ると、夏の葛切りやわらび餅も実に美味しそう。 次回は新緑の桂離宮と中村軒のわらび餅、なんていいかもね!
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京都旅行記
追記:zoomaniaの師匠、あんころりんさんの中村軒の記事は
こちら。 白味噌餡の串団子、ぜんざい、生麩餅の画像も生唾モンです。(2008.2.8)