先週の新宿伊勢丹サロン・ド・ショコラで購入した、Pralus(プラリュ)の「ピラミッド」¥1365。 カカオ75%のダークチョコのタブレットが10枚なのだが、それぞれ原産国が違うので、ショコラ・テイスティングが出来るという寸法だ。 ヴェネズエラ、タンザニア、ガーナ、マダガスカルなど、エキゾチックな国名がズラリと並ぶ。 zoomaniaは仕事のかたわら上から順にバリバリ食べてしまったが、そういえば酸味が強いものや、穏やかな香りのものなど、多少違いがあったような。 パッケージの説明に使われているボキャブラリーは「スパイシー」「フローラル」「フレッシュ」など、香水のそれとよく似ている。
サロン・ド・ショコラのパッケージには、このチョコレートの祭典が巡回するとおぼしき都市名が列記されている。 パリ、ニューヨーク、北京、モスクワ、東京、小倉、京都、名古屋、札幌、浦和。 どうやら世界の大国が首都一ケ所だけなのに対し、日本だけ6都市もサロン・ド・ショコラを開催するのだ(米国の政治的首都はD.C.だけど、文化的首都はN.Y.C.であることに異論はあるまい)。 zoomania試しに各国の人口からサロン・ド・ショコラ密度を計算してみた。
フランス 6000万人 : 1 サロン・ド・ショコラ
アメリカ 3億人 : 1 サロン・ド・ショコラ
中国 13億人 : 1 サロン・ド・ショコラ
ロシア 1億4000万人 : 1 サロン・ド・ショコラ
日本 1億3000万人 : 6 サロン・ド・ショコラ
つまり日本では約2000万人強 : 1 サロン・ド・ショコラと、一番サロン・ド・ショコラ密度が高いのである。 中国とは実に60倍の開きがあることが判明した。 本家フランスよりも3倍も高い。 人口あたりではなく、国土の面積あたりのサロン・ド・ショコラ密度を算出すれば、もっと極端な開きが出ると思われる。
読者諸君、我々はこの数字をどう解釈するべきだろう。 日本人は世界一チョコレートが好き? 日本は食文化の水準が世界一高い? 否、日本人はやはり世界一金持ちだという事であろう。 一粒ン百円もする外国の高級チョコレートに価値を見いだす消費者が、首都だけでなく国中に遍在している豊かな国だということだ。 日本の流行り言葉の「格差社会」は、実際はフランスやアメリカの方が深刻で(中国やロシアは言うに及ばず)、日本は相対的に見れば均一に豊かな国なのである。